駅からすぐの招福楼
道路を歩いていると、突然、清々しい緑が目に飛び込んでくる
こんな贅沢な空間が広がっているなんて・・・
そこにだけある、静寂
入り口で案内の方が~様と声をかけてくれる
作業をしていたのかと思いましたが待っていてくれたのだと分かる
ここから、すでにおもてなしが始まっている
ここへ来る人は奥にある入口に車を寄せて、電車では来ないのかも・・・
だってヒールで砂利道を歩くのは困難
傷をつけないようにゆっくり歩く
磨かれた床
きしむ感じが何故か懐かしい
調理場へと続く廊下にかかっている
風にたなびく麻の暖簾
それを眺めているだけで気持ちがいい
奥は茶室、庭には今は水を張っていないそう
ちょうどこの時期、開け放っていて気持ちがいい
外の明るさとは対照の
部屋の隅の行燈のほの暗さに癒しを感じる
食事をしている間に、三度も打ち水をしてくださいました
見ているだけで、涼し気
時が、ゆっくり、ゆっくり流れる
器が涼し気
胡麻豆腐
滋賀での食事で度々いただいた鰻ともち米
今は、どのお店で日本酒を頼んでも、あの切り子が涼しげだったなぁと思い出してしまう
最近、どのお店へ行っても
感動することがなくなっていた
何処へ行っても、何を食べても、、、
でもこちらへ来て、庭を眺めて風を感じていたら
涙が出てきました
お酒のせいもあるかもしれませんが
そんな風に、ほっとした気持ちにさせてくれる場所
***
出汁はどこまでも清く、深い
全く、主張しないのに深い
最初、あっさりとさえ感じられたお椀は
私の身体のすみずみまで満たしてくれたように染み渡った
美味しい、なんて、美味しいのだろう
くずがもう、なんとも、絶妙
おかひじきの歯ごたえ
イカの甘さ
クラゲと胡瓜にさえ、出汁を感じてしまう 美味しい
鮎は美味しかったけれど
比良山荘の鮎が凄すぎて、比べてしまうと・・・
蓼酢がまったりしていて、初めての感じ
茄子は出汁を吸い込んでこっくりしている
里芋の優しさ
あぁ、出汁の幸せ
ご飯はなぜか、柔らかめ
赤だしは優しく、出汁が効いている
これがあまりに美味しいので
この後、他の店で赤味噌の味だけが強いようなものがもう、飲めなくなる
困ったものだ
一度、最上級を味わうと
いつまでも、いつまでも、追い求めてしまう・・・
黒糖のわらび餅
黒砂糖に負けている気がするのでシンプルが好みかな
今まで、比良山荘が一番好きなお店でしたが
今は招福楼の本店が一番好きなお店になりました
この日は初めてだったのでお昼にしかない15000円のコースにしました
それでも30%の奉仕料がつくので2万円近くなる
知人の話では、一番いいコースだと目の前で鮎を焼いてくれるそう
「今度、一番いいコースを頼んでみなくちゃね」
と言ってくれた
目の前で鮎を焼いてもらい、美しい器を眺めてみたい
知人お勧めの灯の間で
この時期にまた来たい、と思わせてくれる大切な場所になりました